ping を辞書で引くと、シャープでハイピッチな、小さなベルのような音、などといった説明があります。スプーンをクリスタルガラスに当てたときに聞こえる、チンという音です。ITの世界では、ping はまったく異なる意味を持っています。
このブログでは、ping の基本概念とネットワークとネットワーク監視のコンテキストでの Ping ユーティリティの使用方法を説明します。
ping は、あるデバイスと別のデバイスの間の接続をテストするために使用されるコマンドプロンプト・コマンドです。潜水艦のソナーを想起してみてください。潜水艦は、周囲をチェックするために水中を伝播する音波を用いて水中の物体に関する情報を取得します。ping に相当する音波が近くのオブジェクトにぶつかると、反響してエコーバックします。オペレーターは、エコーを返すのにかかる時間の長さによってオブジェクトまでの距離を判定します。潜水艦とオブジェクトの関係を測定するのには音波が使われますが、TCP/IP ネットワークのデバイス間の接続関係を確認するためには ping が使われます。
ping は、相手側の TCP/IP デバイスへの IP レベルでの接続を確認するために使用されます。インターネット制御メッセージプロトコル(Internet Control Message Protocol、ICMP)エコー要求メッセージを送信し、返信メッセージを待ちますが、その結果によって接続状況が確認できます。Windows のデフォルトでは、ping コマンドは4つの要求を送信します。返信メッセージの分析で、次のような重要な情報が獲得できます。
ping は、接続の一貫性をテストするために、数回送信します。下のスクリーンショットは、ルーターへの接続確認が成功したときに得られる ping 情報です。
コンピュータまたはネットワークでスピードのテストを実行するときには、自覚のあるなしにかかわらず、ping コマンドを使用します。リモートサーバーからメッセージを送り、戻ってくるまでの時間をテストします。
ping は、接続のトラブルシューティングやネットワークのトラブルシューティングなどに有用です。
ping は、最も一般的には、2つのマシン間の接続を確認するために使用され、接続のトラブルシューティングに役立ちます。ping を使用して、ネットワークに接続されているプリンタやコピー機の接続をテストし、デバイスがオフラインかどうかを判断したり、ルーターに接続できることを確認したりできます。ネットワーク上でサーバーにホストされているアプリケーションで問題が発生した場合、まずするべきことは、一連の ping コマンドを使用して接続を確認し、問題を絞り込むことです。pingの応答時間が速ければ接続には問題がないとの判断が可能で、サーバーかアプリケーションの問題に限定して追跡していくことができます。
Web サイトに ping を実行して、Web サイトが動作しているかどうか、接続に問題があるかどうかを確認することもできます。
ほとんどのネットワーク接続デバイスは、ping に応答しますから、ネットワーク問題も ping でチェックできます。ルーターやサーバーのスループットと速度を、ping を使用してテストできます。また、アドレスの範囲全体に ping して、特定の範囲内で接続されているデバイスを検出することもできます。コンピュータ名とコンピュータのアドレスをテストし、IP アドレスに ping できるのにコンピュータ名では ping できない場合は、おそらく名前解決の問題があるだろうと判断可能です。
ping に応答があって接続は確認できたものの、応答時間が長い場合は、ルーティングに問題があったり、どこかで混雑していたり、何らかのネットワーク問題が発生していると考えられます。可能性があります。
ping コマンドは、手動で実行することも、ネットワークの可用性を監視するスケジュールされたタスクとして自動化することもできます。ping に失敗すれば、何か問題があることがわかります。
ping コマンドが相手側からの応答を取得できない場合は、何も返されないか、タイムアウト通知が表示されます。デフォルトのまま 4つの要求を送信した場合は、下のように4つのタイムアウト通知が表示されることになります。
ping コマンドには、オプションでパラメータを追加して、トラブルシューティングのためにカスタマイズすることが可能です。パラメータのリストと Windows で使うときの説明を以下に示しますが、UNIX の場合は若干の違いがあります。
これらのパラメータを使用する順序は重要であり、以下の順序で使用するのが適切な構文です。
ping [-t] [-a] [-n count] [-l size] [-f] [-i TTL] [-v TOS] [-r count] [-s count] [-j host-list] [-k host-list] [-w timeout] [-R range] [-S srcaddr] [-c compartments] [-p] [-4] [-6] target-name
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