新しいソリューションへの移行を検討するときは、それを提供する IT ベンダーについても、しっかり見極める必要があります。初めてのベンダーであれば、誇大宣伝ではないかとか、言ったことを本当に守ってくれるのかとかいった懸念が生ずるのは当然です。新しいソリューションへの移行には多大な費用とリソースが必要になるので、失敗だったと後悔することがないよう、慎重に検討すべきです。
何かを導入しようとする場合、100%失敗しない確実な方法というものはありませんが、ある程度の指針は存在します。初めての IT ベンダーが信頼できるかどうかを確認するためのチェックリストを用意しました。短いリストですから、1つずつチェックしてみてください。
新しい技術ベンダーと契約するのは、新しい従業員を雇用するのと似たようなプロセスです。可能性がある候補者の履歴書を審査し、面接した上で採用を決定するのと同様、他のプロバイダーについても調査し、問い合わせてみる必要があります。
APM (アプリケーションパフォーマンス監視)ツールを販売しようとしているベンダーのデモのバックグラウンドで競合他社のツールが開いていたら、信頼は置けないでしょう。契約を考えているベンダーは、推薦する自社の製品を使用していますか?新しいサービスやテクノロジーへの切り替えを行う場合、それを提供する新しいベンダーがその製品に対して強い自信を持ち、率先して使用していれば、信頼に値するでしょう。ベンダーが自社製品を使用していない場合は、理由を尋ねてください。使用しているという回答があれば、それを確認できる証拠を求めることも考慮してください。
導入を考えているテクノロジーは他の製品と相互運用できますか、それともそのベンダーの製品だけを使用する必要がありますか?プロバイダーを変えたとしたらどうなりますか?そして、もし、ベンダーが廃業するようなことがあった場合、何か手立てはありますか?一番肝心なポイントは、ベンダーロックインの可能性があるなら、そのベンダーを使わないようにした方がいいという点です。1つのベンダーに依存してしまうと、いざとなったときに、サポートのない、使えないツールが残されるだけです。残念ながら、この厳しい競争社会ではベンダーがなくなってしまうという可能性はあり得るものと考えるべきです。ベンダー依存は除外した方がいいでしょう。
新しいベンダーとの連携を検討するとき、そのベンダーが、顧客のニーズをどう追跡して、効果的なソリューションの提案につなげているのかを尋ねることは有意義です。その回答によって、ベンダーが高い分析能力を持ち、データに裏打ちされた客観的な判断ができるかどうかがわかります。カスタマイズやベストプラクティスに関する一般論に終始する場合は、あまり信用できないかもしれません。顧客のニーズに効果的に対応するためには、しっかりしたデータと分析能力が不可欠です。
検討している製品は本当にニーズを満たすものですか?耳に響きのいい誇大宣伝に惑わされて本当は必要ではないものに投資しようとしてはいませんか?ひょっとしたら、マジッククアドラントレポートを見て高評価を得ている製品がいいと信じ込んだ上司からの指示に逆らえなかっただけではないですか?うたい文句に惑わされることなく、ニーズを綿密に分析して、それを満たすものを選択する必要があります。具体的には、例えば、「物理サーバー、仮想サーバー、アプリケーション全体を単一インタフェースから統合的に監視できる機能」を持っているかという点をしっかりチェックするようにするべきです。
ライセンス付与はどのようなシステムになっていますか?ツールごとにライセンスが必要であれば、ベンダーの懐は潤っても購入者にはあまりメリットはありません。コスト管理がしやすい、明瞭なライセンス体系(デバイス・ベース、ポイント・ベースなど)を提示するベンダーを探してください。ライセンスと価格設定の仕組みが、複雑でよくわからない場合は、意図的に把握しにくくしている可能性もあります。
将来のパートナーになるかもしれないベンダーは、誰の成功に焦点を当てていますか?IT ベンダーが自社の利益を考えるのは当然としても、その利益はユーザーを犠牲にして得るべきものではなく、共存共栄を目指しての結果であるべきです。ユーザーのニーズを評価し、満足度を測定して、必要に応じて対応できるような体制を整備する必要があります。ベンダーの態度から、顧客本位でない、誠意のなさを感じ取ってしまったら、見限って別のベンダーを探した方がいいかもしれません。
サポートは静的なものではあり得ません。臨機応変に、必要な場合には適切なサポートを提供することが求められます。契約しようとしている新しいプロバイダーは、システム管理者にどのようなトレーニングや教育を用意していますか?適切なトレーニングやサポート体制を用意していなかったり、またはその必要性を認識していないようなベンダーは対象外と考えていいでしょう。
コストについては、一般的には、予算額があって、これ以上は超えられないという超過限度額があります。通常のコスト計算に加え、どの程度の調整可能部分があるかを見極めてください。必要に応じて絞り込んで、ニーズと予算に見合ったベースラインを見つけてください。
現代の企業は、IT トレンドを注視し、他社に後れをとらないよう、何らかの行動を起こす必要があります。このチェックリストは、ワークロードを抑えるのに役立つかもしれません。IT ソリューションを提供するベンダーを、このチェックリストに従って評価し、必要に応じて調整してから、新しいソリューションへの移行を検討してください。
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