情報技術の歴史は、ほとんど人類の歴史の始まりまで遡ることができます。現在では使用する開発者はいないものの、象形文字は一種のスクリプトとも考えられます。計算尺、階差機関、ブレーズ・パスカルの 歯車式計算機パスカリーヌやその他の機械式計算機なども IT に含まれ得るかもしれません。ですが、今日使う意味での IT は、20世紀も後半以降と考えるのが一般的でしょう。
この時代のコンピュータはほとんどメインフレームやミニコンピュータでした。IT の歴史を語る上で、この事実には言及せざるを得ません。IT の仕事には、ユーザーのバッチ・タスクを手作業で行うこと、プリンターのバックアップ作業、膨大なプロシージャに従ってシステムのアップグレードをすること、端末に紙のストックを切らさないようにすること、さらには破損したチューブの交換までも含まれていました。IT スタッフは、地下室や大きな機械が設置されたクリーンルームなどでの作業を余儀なくされました。この時代は、システムの相互接続性は極めて限定的でしたから、相互関係があるデータの整合性は手作業の埋め合わせによって補完されていました。これは、インターネット(当時は ARPANET として知られていました)切望の背後にある事情でした。
80年代になると、ミニコンピュータ(DEC VAX コンピュータなど)が躍進するとともに、PC が登場しました。システム管理者は、地下室から抜け出して、学校や図書館や会社のコンピュータ室やマシン設置場所に要請されて出向いていくようになりました。この時期のITの役割は、主に自動データ保存や検索や印刷などのためにファイルやプリント・サーバーをインストールして保守管理することでした。また、PC に DOS をインストールしたりアップグレードする仕事もありました。
アップル II、コモドール64、そして IBM PC などが市場に台頭してきましたが、パーソナル・コンピュータはまだ業務用の高価なマシンで、学校などへの展開はあまり考えられませんでした。アップル II が教育市場を牽引しましたが、80年代に学校で IT 業務をしていた人たちは、フロッピーディスクやデイジーホイールプリンタ、そして RS-232 ケーブルなどの用語に慣れ親しんだはずです。
90年代の IT 管理者は、キュービクルでサポートするユーザーの横に座って作業するようなことが普通になってきました。従業員はウィンドウズをインストールしたPCを使うようになっており、IT サポートは、ネットワーク、ネットワークの保守、PC メールサポート、Windows や Microsoft Office のインストール、メモリ増量やグラフィックカードの追加などに移行しました。
90年代も終わる頃には、特に成長企業ではウェブのインターネット接続が非常に重要視されるようになりました。Facebook、Twitter、LinkedIn などはまだありませんでしたが(トレンドの端を発した Friendster の創業は2002年です)、企業側は生産性の低下を恐れ、ウェブ・アクセスを制限していました。PC にモデムをつけてダイヤルアップ・アクセスが必要な人に電話ラインを接続したり、業務用 LAN をインターネット接続可能にしたりするのがせいぜいのところでした。
最近の IT 管理者の役割には、復活した Mac のサポート、ソーシャルメディアの活用(仕事中のアクセスをブロックすることを含めて)、定常的にセキュリティ関連のパッチを施すこと(Windows の場合、パッチ・チューズデーとして慣行されています)、BYOD への対処、DevOps の自動化、などが含まれます。
IT の商業化(日常生活で体験した技術と同じレベルの技術を職場でも求めるようになることを含意、BYOD などに反映)は継続し、IT 専門家は家族や友人が頼むような「例のあれよろしく」といった作業を即座にこなすよう求められます。IT 役割の自動化、明日のヘルプデスクで何が求められるのかを問い続けることも重要です。
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