ビジネスにおける VoIP 監視ツールの重要性
Voice over IP (Internet Protocol)、略して VoIP は、テレフォニーに革命をもたらしました。古い PBX スタイルの交換機や、電話線でつながった電話はもうあまり見られなくなりました。ネットワーク、インターネット、IP プロトコルはすべてを変えました。
Voice over IP が始まった数十年前、その経済性や柔軟性は驚くべきものでした。当初、その音質はしばしばひどいものでしたが、これはどんな種類のビジネスでも避けられないことです。ネットワーク速度が飛躍的に向上し、音声技術も発達して、通話品質は、古いスタイルの PBX ベースの電話システムとの違いがわからないほど良質になりました。
しかし、VoIP を使えばすべてがバラ色というわけではありません。その貴重な通話品質は、ネットワーク自体の品質とその管理に依存します。通話品質の監視をなおざりにすることはできません。電話の音質が悪いというエンドユーザーの苦情が来てから IT 対策を講じるようなやり方は遅きに失します。ネットワークのすべてのセグメントで音声サービスがどのように動作しているかを測定できる音声監視ソリューションを活用して、音声品質の問題が顕在化する前に対処することが重要です。
VoIP 監視ツールを実装する利点
VoIP はデータパケットの形式で会話を伝送します。接続が悪いと、パケットがドロップ (パケット損失) されるか、配信が順不同になったりします。音声がドロップされたり、パケットが順序どおりに配信されなかったりすると、VoIP ジッタが発生します。VoIP ジッタは、VoIP 監視を行うことで簡単に診断できます。ほとんどの場合、帯域幅が足りないことが原因で、標準以下のセグメントをアップグレードすることで解決されます。
プログレスの WhatsUp Gold は、VoIP 監視ソリューションとしても機能し、VoIP 通話品質を評価および監視し、データを収集し、ネットワーク品質に関するレポートを作成します。ネットワークのサービス品質 (Quality of Service 、QoS) レベルに関するデータとレポートを収集し、Cisco IP SLA 対応デバイスによって生成された情報にアクセスして、ジッタ、レイテンシ、パケット損失などのパフォーマンスパラメータを監視します。また、MOS (Mean Opinion Score、平均オピニオン評点) や ICPIF (Impairment / Capacity Planning Impairment Factor) も表示します。ソースからディスティネーション、ディスティネーションからソースの、ジッタ、レイテンシ、パケット損失を測定する6つのパフォーマンスモニタに加え、MOS と ICPIF スコアリング情報を提供する2つのパフォーマンスモニタがあります。(「WhatsUp Gold で VoIP パフォーマンスを監視」ブログより)
VoIP SLA
主要なネットワーク機能は、多くの場合、サービスレベルアグリーメント (SLA) によってそのサービスレベルが保証されますが、VoIP も重要なネットワーク機能であり、VoIP SLA でサービスレベルが達成されていることを確認することが求められます。
WhatsUp Gold には、デプロイされた VoIP デバイス (電話、会議室デバイスなど) のネットワークに関する、サービス品質 (QoS) やサービスレベルアグリーメント (SLA) の指標の追跡に必要な、特殊な VoIP SLA 監視機能が備わっています。VoIP 監視用のデバイスを検出して設定すると、WhatsUp Gold のカスタムパフォーマンスモニタダッシュボードで結果とグラフを表示できるようになります。
詳細については、 「WhatsUp Gold で VoIP (Voice over IP) を監視」ブログをご参照ください。
主要な VoIP 監視機能
VoIP 監視ソリューションとして、備えているべき主要な機能としては、次のようなものがあります。
- ネットワークトラフィック分析
- 使用状況分析
- 通話品質の監視とレポート
- ジッタ追跡
- パフォーマンスの追跡
- レイテンシ監視
- トラブルシューティング
VoIP 監視に関する FAQ
Voice over IP 監視に関するよくある質問をご紹介します。
VoIP 監視ツールは、ネットワークの問題を検出してトラブルシューティングできますか?
はい。それはまさに VoIP 監視ツールに期待されていることだと言えます。VoIP 監視ツールは、ネットワークの音声サポート能力に影響を与える一般的な問題と、音声ジッタなどの音声固有の問題がないかをチェックします。IT インフラストラクチャ監視 (ITIM) またはネットワーク監視ソリューションの一部である VoIP 監視ソリューションの大きな目的の1つは、ネットワークのトラブルシューティングです。
オープンソースの VoIP 監視ツールはありますか?
はい。ですが、多くは機能が限定的であり、ベンダーによるフルサポートはありません。非常に小規模なケースや、1回限りの分析または VoIP の概念実証として使用するのが最適でしょう。
VoIP 監視ツールは他のシステムと統合できますか?
はい。優れた VoIP 監視ツールは、他のシステムと統合されています。VoIP 監視は、独立した機能というより、IT インフラストラクチャ監視 (ITIM) やネットワーク監視ソリューションの一部と考えるべきで、ITIM ツール自体も他の IT ソリューションと統合するように設計されています。
7つの優れた VoIP 監視ツール
Dotcom-monitor
Dotcom-monitor VoIP 監視ツールは、VoIP サービスを追跡し、トラブルシューティングを行い、電話番号の可用性データを提供します。SIP 監視レポートは、過去の VoIP データを追跡します。SLA レポートは、IT 部門がパフォーマンス目標を達成するのに役立ちます。
含まれる機能
- 着信通話ルーティング
- ボイスメールの可用性
- 発信通話が成功したかどうかの追跡
- 接続性と可用性の監視
長所: 強力なアラート、根本原因分析、SIPレポート。
短所: 直感的ではなく、高額な価格設定、ドキュメントに改善の余地あり。
ExtraHop
ExtraHop は、ネットワークパフォーマンス製品であり、セキュリティ監視製品でもある Reveal(x) を提供しています。ExtraHop ダッシュボードは、VoIP/SIP コールを追跡し、成功率と失敗率を表示します。
含まれる機能
- デバイス検出
- ライブ通話のステータス追跡
- 通話量、通話セッションのステータス、通話ルーティングの品質などの指標を提供
- クラウドベース
長所: 評判の高いインタフェース、VoIP 監視がより充実した監視ツールに組み込まれている。
短所: 統合機能に不足あり。
Site24x7
Site24x7 は、アプリケーション監視を行ない、VoIP の品質など、エンドユーザーのエクスペリエンスを測定するクラウド サービスです。
含まれる機能
- パフォーマンスが低下した場合のアラート
- QoS レポート
- ラインの状態を監視
長所: トラブルシューティング、SLA と QoS の統計と指標。
短所: 複雑で、習得に時間がかかる。
Thousand Eyes
Cisco Systems の一部である Thousand Eyes は、VoIP 監視を含むことができるネットワーク監視ツールです。
含まれる機能
- ネットワーク内外の通話をテストするための VoIP トラフィックシミュレーション
- ジッタ、パケット損失、遅延の追跡
- SIP 接続のチェック
- ラインチェック
長所: 通話シミュレーション、トラブルシューティング。
短所: カスタマイズ能力と統合の点で不足あり。
VoIPmonitor
この無料のオープンソース Linux ツールは、VoIP 通話にパケット スニッフィングを適用します。Web ベースのインタフェースには、パケット損失や遅延などの項目が表示されます。
含まれる機能
- パケットスニッフィングとプロトコル分析
- ジッタと遅延に基づいて計算された平均オピニオン評点 (MOS)
- アラート
長所: 無料であり、オープンソースと Linux ファンには魅力的。
短所: サポートが限られており、インタフェースが複雑な場合あり。
VoIP Spear
VoIP 監視が大規模ソリューションの一部である他のソリューションとは異なり、VoIP Spear は音声サービスの追跡に重点を置いています。モニタリングは、北米、南米、アジア、ヨーロッパのサーバーを使用してクラウド上で処理されます。
含まれる機能
- 対象エンドポイントに基づく音声通話の平均オピニオン評点 (MOS)
- SIP プロバイダーと ISP のサービス品質を追跡
- SIP ライン接続テスト
長所: Web ポータルベースで、ソフトウェアをダウンロードする必要なし。
短所: 精度が不十分でレポートが限定的。
WhatsUp Gold
WhatsUp Gold は、ネットワークの可用性とネットワークデバイスのパフォーマンスを詳細に可視化するネットワーク監視ソフトウェアです。プラグインとしての VoIP 監視は、この可視性を高め、VoIP を継続的に監視および評価して、許容できる通話品質とパフォーマンスを維持します。
含まれる機能
- Cisco IP SLA 対応デバイスによって生成された情報にアクセス
- ジッタ、パケット損失、遅延を監視
- SNMP データを使用して、ネットワーク全体の VoIP パフォーマンスに関するレポートを作成
長所: 設定ユーティリティで、迅速かつ適切なネットワークと要件に適したセットアップ。
WhatsUp Gold を VoIP 監視ツールとして推奨
VoIP セッションでは、テレフォニーまたは「音声」データを連続ストリームまたはほぼ連続したストリームとして転送し、音声会話を行っている両者の音声が揺らぎがなく自然に聞こえ、音の途切れやエコーが発生しないようにする必要があります。インターネットプロトコルの QoS が「ベストエフォート型」(先着順) の場合、IP ルーターや IP コールセンターでは通話品質の追跡と提示に重要なエンドポイントと往復の統計値を収集します。WhatsUp Gold VoIP では専用モニタを利用してこれらの IP SLA 指標を収集し、まとめます。
WhatsUp Gold VoIP 測定には、通話のジッタ (一方向のレイテンシ)、通話劣化 ICPIF (Impairment / Calculated Planning Impairment Factor) の予測レベル、往復時間に加え、平均オピニオン評点 (MOS) (ネットワークが持続できる通話品質の定期的な測定) を収集するアクティブモニタが含まれます。アクティブモニタは「仮想」VoIP セッションとして機能し、有用で現実的な通話品質データを収集します。
WhatsUp Gold VoIP Monitor は、次の機能を提供します。
- VoIP パフォーマンスモニタ。通話トラフィックの往復特性とエンドポイント特性を追跡するために使用します。(パケット損失、ICPIF、ジッタ、往復レイテンシ)
- アクティブ監視 。音声トラフィックをシミュレートし、学習モデルに基づいて品質スコアを返します。(MOS)
- カスタムパフォーマンスモニタレポート。
- モニタのステータスに基づいて警告する機能 。
VoIP Monitor を使うと、VoIP の通話品質が満足できるレベルかどうかを継続的に監視できます。ネットワークのサービス品質 (Quality of Service、QoS) レベルに関するデータとレポートを収集し、Cisco IP SLA 対応デバイスによって生成された情報にアクセスして、ジッタ、レイテンシ、パケット損失などのパフォーマンスパラメータを監視します。また、MOS (Mean Opinion Score、平均オピニオン評点) や ICPIF (Impairment / Capacity Planning Impairment Factor) も表示します。
WhatsUp Gold VoIP Monitor は、IP SLA 測定と、SNMP アクティブ監視で生成されたデータを活用して、ローカルネットワークおよび WAN リンク上の VoIP 固有のネットワーク指標を測定します。SNMP データを使用してネットワークで発生している可能性のあるジッタ、レイテンシ、パケット損失のグラフとレポートを作成します。測定データと IP SLA によって生成されたコーデックシミュレーションデータを組み合わせることで、ライブネットワークにおける VoIP の MOS と ICPIF 音声品質スコアをグラフ化することもできます。
VoIP Monitor には、ソースからディスティネーション、ディスティネーションからソースの、ジッタ、レイテンシ、パケット損失を測定する6つのパフォーマンスモニタが含まれています。さらに2つのパフォーマンスモニタが、MOS と ICPIF スコアリング情報を提供します。