鉄鋼はコモディティであり、競争が激しい市場で突出するためには何かユニークな特徴が必要です。そう考えた Klein Steel は、差別化の切り札としてアドバンスト・センター・オブ・エクセレンスという施設を作りました。
この施設では最先端技術を利用して、12,000トンのカスタム化された金属部品を製作しています。これらのカスタムコンポーネントは、全国の2,400の顧客会社に送付されます。Klein Steel は、サプライヤと顧客会社によって設定された厳格なコンプライアンス規定を満たす必要があります。高い要求に応えるため、ハイテク手法を駆使して重要なシステムをすべて積極的に管理し、作業を的確に進める必要があります。
ただ、コンプライアンスを維持することはできたものの、問題解決依頼のチケットが大量に寄せられました。ダウンタイムも何度も発生し、コア・オペレーションが数時間停止するという事態に発展しました。この時点で、Klein Steel の上級システム管理者である Rob Smura 氏は、変更が必要だと痛感しました。
危険物を扱う鉄鋼業界には厳重な規制が存在
Klein Steel は NQA1 認定を受けています。これは、石油、ガス、原子力産業にサービスを提供できることを意味します。NQA1 認定を受けた会社は、材料、品質、取り扱い、出荷に関する規制を厳守する必要があります。この認証を維持することは、Klein Steel が業務を遂行する上で不可欠です。システムの停止はたとえ短時間であっても容認できません。
Smura 氏は「壁に差し込んで電子や陽子を動かすものすべて」についての責任者です。彼のチームは、NQA1 の監査に適合するようにすることを含め、事業運営全体に直接影響を与える責務を担います。
Smura 氏が現在の役職についたとき、システムに大幅な改善が必要なことはすぐわかりました。いろいろと調査を重ねた結果、プログレスの WhatsUp Gold、ネットワーク、サーバー、 アプリケーション・パフォーマンスの監視ツールが良さそうだという結論に達しました。
常時稼働している必要がある特殊な IT 環境
Klein Steel には、他の多くの組織の通常のエンドポイントとネットワーク管理のニーズを超える特殊な IT 環境があります。サーバーやその他の一般的なデバイスに加えて、ロボット、レーザー、高圧ウォータージェット切断機なども管理する必要があります。
Klein Steel は、ERP システムに統合されている Kasto インベントリ保管システムロボットピッカーを利用しています。このユニークな統合によって、セルとロボットは同時に複数のタスクを実行できます。ロボットは危険物として分類される材料を取り扱うことができる唯一の方法であり、システム障害が発生すると、ロボットによって処理される材料が完全にアクセス不能になってしまいます。そのため、システム障害の発生はどうしても避けなければなりません。
Klein Steel はまた、高出力プラズマレーザーと Flowjet カッターを使用して、カスタムジョブを処理します。各システムは、同じタスクを繰り返し実行するようにプログラムできます。これらのシステムが機能しなくなると、タスクを手動で処理する必要があり、作業の手間が一気に膨大化します。
さらに、システム障害は、ビジネス継続を阻害するだけでなく、コンプライアンス証明のための重要なデータの損失を意味します。幸いなことに、これらのデバイスは、現在は、すべて WhatsUp Gold で監視されており、Kasto ロボット、プラズマレーザー、Flowjet カッターの状態を、ネットワークの他の部分と共に確認することができます。
ビジネス全体に影響を与えた IT 問題
しかし、WhatsUp Gold を導入する前には、種々の IT 問題が業務に悪影響を与えていました。Smura 氏が上級システム管理者になったときにすぐに目に留まった最初の課題は、従業員から提出される大量の問題解決依頼チケットでした。類似のチケットをまとめるだけのためにも、すべてをチェックして整理する必要があり、IT 管理者の時間がつぶされました。
ほかにもいくつかのビジネス全体に影響する IT 問題がありました。
- Kasto インベントリ保管システムなどの重要なシステムが、6時間もダウンすることがありました。このような極端なダウンタイムがあると、システムがオンラインに復帰するまで、トラックを並べて材料を待機させることになります。
- Kasto システムのエラーにより、インベントリが適切に追跡されなくなることがありました。エラーを修正するためには欠品を手動で入力する必要があり、これは大変時間がかかります。
- 新しい部品がシステムにロードされていないために、ワークセルの操作者が、しょっちゅう IT に連絡しなければなりませんでした。
このような問題を解決するには、新しい監視ソフトウェアが必要でした。
ネットワーク監視が組織にもたらした変化
念入りな調査の後に WhatsUp Gold をインストールした Smura 氏は、組織が直面するこのような問題をどんどん解決していきました。
まず、WhatsUp Gold を使用して、社内の全従業員が利用できる NOC ビューを作成しました。Web ブラウザのインタフェースでネットワーク全体の状況を即座に把握できます。NOC ビューは、IT 部門のエリア外でも大画面表示されるので、従業員は問題解決依頼チケットを送信する前に、状況を NOC ビューで確認できます。
Smura 氏は、「前任者は、一度に平均40のチケットをチェックしていました。今は、チケットの数が減った上、その内容は本当に対応が必要なものなので、効果的な問題解決が可能です。」と話します。
WhatsUp Gold は、Kastor ロボットや高出力レーザーも監視するように設定されました。業務に悪影響が及ぶ前、そしてユーザーが問題に気付く前に、IT 部門が問題を検出できるように警告通知設定がされています。
WhatsUp Gold を使用して長期的な好結果
Klein Steel では、WhatsUp Gold を導入したことで次のような好結果が得られ、これらは長期にわたって継続するはずです。
- IT 部門が気付く前に最大6時間もダウンしていたシステムが、2分ごとに監視されるようになりました。問題は早期に検出でき、マイナーなものなら業務に悪影響が出る前に解決できます。WhatsUp Gold は、サーバーの再起動やキャッシュのクリアなど、問題に基づいて特定のアクションを実行するように設定されています。
- Kasto インベントリ保管システムロボットピッカーに影響を与える可能性のあるネットワーク問題を把握できるようになり、必要なら、ワークセルの操作者が問題に気付く前にワークセルを停止できます。
- IT 部門は、WhatsUp Gold からのデータをチェックして、ネットワーク内のすべてが問題なく稼働していることを確認でき、何が起きるかわからないというストレスから解放されて穏やかな日常を過ごすことができます。
Klein Steel の IT 部員に心の平穏をもたらした WhatsUp Gold の詳細については、プログレスの Web ページをご覧ください。