プログレスのネットワーク監視ソフトウェア、WhatsUp Gold の3種類の監視、アクティブ監視、パッシブ監視、パフォーマンス監視について説明します。

アクティブ監視

アクティブ監視は、エンドユーザーに悪影響を与える前に潜在的な問題を検出できるよう、ネットワーク監視システムの側から積極的に稼働状況をチェックする監視です。実際のユーザーやデータを検査するのではなく、エンドユーザーの動作をシミュレートします。アクティブ監視で、実際のユーザーのネットワーク上での動きが予測できます。新しく統合されたハードウェアには、想定通り動作しているかどうかを把握するためにアクティブ監視を適用するようにします。

アクティブ監視は、特定のメトリックを駆動し、幅広いデバイスをカバーするポーリングを行います。アプリケーションやサービスなどの可用性をテストおよび測定します。高度なネットワーク監視ソリューションは、REST API などのアプリケーションインタフェースを使用して、特定のデバイスにクエリを適用できます。

アクティブ監視では、正常性の確認、ユーザーイベントのシミュレート、特定の条件のテストに加え、次のことができます。

  • MIB 値などの特定のメトリックを積極的にポーリング
  • サービスとアプリケーションの可用性とレイテンシをテストし、測定
  • フォルダ、ログ、ファイルのスキャン
  • クエリの適用
  • API の使用

アクティブ監視の例

ファイルプロパティは、ローカルフォルダ内またはネットワーク共有上にあるファイルが、サイズや最終更新日など、監視設定で指定された条件を満たしているかどうかをチェックします。

HTTP コンテンツ監視では、Web ページが確実に表示されるかどうか、ページが特定のブラウザに適切に表示されるかどうかや、特定のコンテンツの有無などを確認できます。

SSL 証明書モニタは、有効な SSL 証明書が存在するかどうかをチェックできます。今後何日以内に証明書が期限切れになる場合は監視のステータスを停止状態とするといった設定も可能です。

パッシブ監視

パッシブ監視は、その名前が示すように、受動的な監視です。WhatsUp Gold 側から起動したり何かをシミュレートするのではなく、ネットワーク接続を通して、特定の期間にわたって実際のユーザーデータを収集し、分析します。

収集される大量のパフォーマンスデータは、テストインジェクションやシミュレートされたビューとは対照的に、ネットワークで何が起こっているかを把握できる、より全体的なビューを提供します。

パッシブ監視は、監視対象のデバイス上で、バックグラウンドプロセス (OS レベルのログ、SNMP トラップなど) として実行されます。WhatsUp Gold では、パッシブ監視として以下を追跡します。

  • [Windows イベントログ] - Windows デバイスのプラットフォームログ
  • [Syslog] - Linux/UNIX デバイス、その他のネットワークデバイスのプラットフォームログ
  • [SNMP トラップ] - トラップが設定されたマシンでイベント/しきい値が一致したことを示すトリガ/述語

パッシブ監視のヒント

パッシブ監視は、Windows イベントや Syslog イベントをバックグラウンドで受動的にリッスンします。Windows イベントログモニタを割り当てる場合、まず、そのデバイスに認証情報が割り当てられていることを確認してください。

SNMP トラップ監視は、監視対象のネットワークデバイスから WhatsUp Gold に特定のイベントを通知する未承諾メッセージをリスニングします。すべての SNMP トラップをリスニングするようにも、特定の種類だけをリスニングするようにも設定できます。

条件を設定し、WhatsUp Gold でとるべきアクションを割り当てることができます。

パフォーマンス監視

パフォーマンス監視は、アプリケーションの動作の度合いや動作速度を判断し、結果を示すパフォーマンスメトリックを提供する専用のモニタです。サービスやアプリが起動しているか停止しているかの死活監視ではなく、応答時間を測定します。

パフォーマンス監視では、デバイスのパフォーマンスメトリックを経時的に収集し、Ping 時間、遅延時間、ジッタなどを追跡します。想定通りに滞りなく機能しているかどうかを、設定したしきい値に基づいて判断します。

トレンドを視覚化し、全体的なパフォーマンスを追跡し、様々なものの使用率の平均値などを計算します。特定のアプリケーションに高負荷がかかる頻度や、アプリケーションのピーク使用時間などのレポートを作成します。アプリケーションが適切なパフォーマンスで稼働しているかどうかをチェックし、もし必要なパフォーマンスが得られていない場合は何をすべきかの判断材料になるデータを取得します。

パフォーマンス監視では、次のことができます。

  • 稼働状況と経時的なパフォーマンスのメトリックを収集
  • 平均値の計算、トレンドの視覚化、追跡してレポート作成

パフォーマンス監視のヒント

すべてのデバイス、スイッチやルーターや Windows サーバーでも、に複数のパフォーマンス監視割り当てることができます。ほとんどすべてのパフォーマンス監視をカスタム化できます。

WhatsUp Gold では、インタフェース使用率とディスク使用率はデフォルトの監視として設定されています。APC UPS モニタは、出力電力使用率の統計情報を収集し、時間ごとの APC UPS 電力使用状況のグラフを表示します。

WhatsUp Gold は、AWS CloudWatch パフォーマンス監視Azure クラウドパフォーマンス監視もサポートしており、両方とも課金と使用状況も監視できます。

Microsoft SQL、MySQL、または Oracle データベースに接続して数値を抽出する SQL クエリを実行することもできます。もちろん、Windows Management Instrumentation (WMI) 対応デバイス上の特定の値を監視する、Windows オペレーティングシステム専用の WMI パフォーマンスも用意されています。


監視割り当ての4つのステップ

プログレスでは、監視の割り当てと管理のために、次の4つのステップを推奨しています。

監視設定の確認: デバイスをチェックして、どの監視が設定されているかを正確に確認します。デフォルト設定されている場合や、誰かがすでに監視を設定している場合があります。WhatsUp Gold は、新しいデバイスがを検出されたときにデバイスロールを適用できますが、ロールには監視設定も含まれます。

監視設定の(追加)割り当て: 確認した監視設定を変更したり、カスタム監視を含めて追加が必要な監視があれば割り当てます。

監視の切り替え: オンになっている必要があるものは、適用した監視がオンになっていることを確認します。デフォルトでオンになっているものをオフにして、他を優先させたい場合があるかもしれません。

監視のチェック: 監視の設定を最終確認します。[デバイスのプロパティ] の [パフォーマンスモニタ] セクションをクリックして、パフォーマンスモニタの統計と使用率をチェックできます。

3つの監視の使用法

上述の3つの監視は、どれを、どのように使用すればいいでしょうか?これに対する答えは、すべてを、同時に、です。それぞれが重要であり、有意義です。WhatsUp Gold では、任意のデバイスにどれだけ多くの監視でも適用できます。インタフェース・ベースの価格体系をとっているネットワーク監視ソフトウェアの場合は、監視するインタフェースの数を調整しないとライセンスコストが高くなってしまいますが、WhatsUp Gold はデバイス・ベースの価格体系であり、監視するデバイスの数を基本とするので、インタフェースの数を気にする必要なく、監視を追加できます。限られたコストで最大限のネットワーク監視が可能です。

監視使用のポイント:

  • 3つの監視すべてを、同時に使用
  • アクティブ監視、パッシブ監視、パフォーマンス監視は、それぞれに固有の意義があり、すべて重要
  • アップ/ダウンステータスを確認するには、アクティブ監視
  • デバイスからのイベントをリッスンするには、パッシブ監視
  • アプリケーションの経時的なパフォーマンスのメトリックを収集するパフォーマンス監視

情報が多ければ多いほど、より的確なネットワーク管理ができます。WhatsUp Gold の無料試用版をダウンロードして、これら3つの監視をお試しください。