10年という年月は多くの状況を様変わりさせます。職場におけるテクノロジーも10年前に比べて様変わりしました。クラウドを使っての作業が主流になり、BYODポリシーが導入されて、プロビジョニングされたデバイスを社内 Wi-Fi に接続することは普通に行われています。すべてがネットワーク・アクティビティの活発化につながり、企業ネットワークへの負荷は飛躍的に増大しています。 ネットワークの状況をしっかり把握して問題解決する必要があるIT部門にとっては頭の痛い問題です。ネットワーク・アクティビティが簡単には把握しきれないほど複雑化し、活発化した場合は、企業ネットワークの帯域幅監視ツールを導入するのが得策です。
高性能ネットワークは、健全なITインフラストラクチャの中核コンポーネントです。ネットワーク帯域幅監視ソリューションは、ITネットワークの可用性、パフォーマンス、および帯域幅の使用状況を追跡するために必要なツールを提供し、業務プロセスをできる限り円滑に実行するのに役立ちます。
このブログでは、ネットワーク帯域幅監視ツールのメリットと、ツールを選択する際に留意すべき点について説明します。
ネットワーク帯域幅監視のメリット
警告と迅速な対応
ネットワーク監視ソリューションが非常に有用なのは、ネットワーク上のエラーと誤動作を早期に検出してレポートする機能があるからです。何らかの緊急の対応が必要な場合には警告が送信されるので、ネットワークを常に誰かが監視する必要がなくなります。1つの問題から多くの警告情報が派生的に生ずることがありますが、そのような警告の嵐の中で本来の問題にたどり着くのは大変困難です。帯域幅監視ツールは、ネットワークの依存関係を把握して冗長な警告を減らすことができるものが求められます。
セキュリティ
セキュリティのない企業ネットワークは考えられません。ネットワーク監視ツールによって、ネットワークをコントロールし、セキュリティを向上させることが可能です。たとえばポート上で異常に高い使用量が検出された場合など、攻撃の可能性を示す警告サインをネットワーク管理者に送ることができます。ネットワーク帯域幅とトラフィックのレポートは、トラフィックの異常を検出するのに役立つ重要な情報を提供します。ネットワーク帯域幅監視ツールは、ファイアウォールやスキャナなどの既存のネットワークセキュリティ技術に迅速かつシームレスに統合できる必要があります。
ネットワークインフラの将来設計
ネットワーク帯域幅監視ツールは様々な詳細情報を収集するので、それらを適切に分析することによって企業ネットワークをどのように進展させていくべきかが明瞭になります。リンクの使用量が多くなっているところがあれば、遅延を避けるために追加のリンクを計画することができます。履歴情報を分析すれば、それを材料に、今後どうなっていくかの傾向が推測でき、ネットワークインフラストラクチャの将来設計に役立ちます。
帯域幅過剰消費者を特定
ネットワーク管理者にとっての悩みの種になり得るのは、帯域幅の過剰消費者です。まるでそれが仕事でもあるかのように帯域幅を大量に消費する人もいます。ネットワーク帯域幅監視ツールは、誰がどのアプリケーションを使って帯域幅を大量使用しているかを特定できます。この情報を使用して、各従業員が担当業務を行うのにどの程度の帯域幅が必要か、ネットワーク帯域幅を優先して割り振られるべきアプリケーションは何か、などを決定することができます。
WhatsUp Gold で帯域幅過剰消費者を特定できます。
ネットワーク帯域幅監視ツールに必要な機能
プロトコルサポート
ネットワーク監視ソリューションに、帯域幅の使用状況と可用性の監視は不可欠ですが、SNMP、J-Flow、NetFlow などのよく使われるプロトコルをサポートすることも必須要件です。
アーカイブ
充実したネットワーク監視ソリューションは、わかりやすいダッシュボードで帯域幅のパフォーマンスに関する情報などを表示します。帯域幅使用量とネットワークパフォーマンスが時間の経過とともにどのように変化するかを確認できるよう、すべてのネットワーク関連データをアーカイブできることも必要です。
仮想ネットワーク監視
現在では、90%以上の企業がクラウドを利用 しており、仮想ネットワークはネットワークの重要な部分を構成します。優れたネットワーク監視システムは、VMWare、Microsoft Hyper-V などの仮想環境もシームレスに監視する必要があります。
警告システム
何か問題が検出された場合に、タイムリーな警告を発する機能が重要なのは言うまでもありません。組織固有のニーズに応じて問題が顕在化する前に適切な形式(メール、テキストメッセージ、その他)の警告が出せるようカスタマイズ可能なシステムが求められるでしょう。1つのサーバーの故障が派生的に多数の警告を発生させないよう、依存関係を反映させられることも大切です。
統合クラスタ
統合クラスタは、監視ツールの中断を回避し、ネットワークセキュリティを向上させます。監視ツールの1つのインスタンスに障害が発生しても、他のインスタンスが中断することなくステップアップしてタスクを引き継ぎ、並列ネットワーク監視を行うことができます。中断を回避することで、ソフトウェア障害も防ぐことができます。
WhatsUp Gold のネットワークトラフィック分析モジュール
WhatsUp Gold ネットワークトラフィック分析 モジュールは、ユーザーやアプリケーションごとの詳細なネットワークトラフィック情報を提供する、包括的な帯域幅監視ツールです。フロー対応ネットワークデバイスからのデータを使用して、ユーザー、アプリケーション、プロトコル、接続による帯域幅使用率を監視します。IT環境全体にわたって警告を管理する単一のソースである WhatsUp Gold アラートセンターに統合され、タイムリーで適切な警告が受けられ、ネットワークのパフォーマンスが悪化したとき、どのトラフィックが帯域幅を消費していたかを確認できます。直感的にわかりやすいダッシュボードやデバイスカード表示で、根本原因が迅速に解明でき、速やかなトラブルシューティング が可能になります。
帯域幅を監視するネットワークトラフィック分析モジュールを使って、帯域幅を過剰使用するアプリケーションとユーザーを(IPアドレスで)識別し、業務に重要なアプリケーションが優先的に必要な量の帯域幅を確保できるように設定できます。帯域幅使用量の履歴情報を分析し、ネットワークの将来設計に生かすことができます。通常はピーク使用率に基づくサービスプロバイダからの請求を、95パーセンタイルレポート(通常の持続的な帯域幅使用率を測定するために広く使用されている計算値)を使って見直せないか確認することもできます。Cisco CBQoS(Class Based Quality of Service)と NBAR(Network Based Application Recognition)のデータを収集し、サービス品質をチェックできます。