組織は常に、マーケットの動向を調査して、何が求められているかを把握する必要があります。ますます複雑化するネットワークインフラストラクチャを運用する部門でインフラストラクチャ監視ツールを導入する場合、そのマーケットの動向に関するガイドがあると役に立つはずです。
2023年3月に作成された、Gartner のインフラストラクチャ監視ツールに関するマーケットガイドは、まさにそのための市場調査レポートです。
このマーケットガイドは、ネットワークインフラストラクチャと運用部門のリーダーが、より高度な技術を希求する場合に考慮すべき事項のリストと見なすこともできます。このブログでは Gartner のマーケットガイドの主要ポイントを紹介します。インフラストラクチャの可視性を高めたり、問題があった場合に詳細情報を迅速に入手したりする必要があれば、購読をお勧めします。
インフラストラクチャ監視ツール
Gartner のガイドについて記述する前に、現在の市場におけるインフラストラクチャ監視の基本を確認しておきたいと思います。
Gartner はインフラストラクチャ監視ツールを、「コンポーネントがどこにあるかにかかわらず (例えば、データセンター、エッジ、クラウド内のサービスとしてのインフラストラクチャ [IaaS]、またはサービスとしてのプラットフォーム [PaaS] など)、IT インフラストラクチャコンポーネントの稼働状況とリソースの使用状況を把握するために設計されたソフトウェア」と定義しています。
インフラストラクチャ監視ツールは、サーバーの可用性、データ使用率、仮想データベースとオンプレミスデータベースなどを監視し、問題があれば警告し、レポートも作成します。ほとんどのインフラストラクチャ監視ツールは、リアルタイムで情報を収集し、また履歴分析を実行したり、データの傾向をレポートしたりできます。
Gartner マーケットガイドの主要ポイント
Gartner の市場調査レポートでは、概要として、「主要な調査結果」と「推奨事項」をまとめています。
インフラストラクチャ監視ツール市場に関する「主要な調査結果」は、以下の4点です。
- アプリケーションパフォーマンス監視 (APM) および IT 運用プラットフォーム用人工知能 (AIOps) 市場のベンダーは、「フルスタック監視」に重点を置いた統合インフラストラクチャ監視機能を提供している。
- インフラストラクチャ監視ツールはコモディティ化されており、ベンダーは自社を差別化する方法として分析を提供している。
- 可観測性のサポートは、クラウドネイティブ・アーキテクチャを活用する組織にとって重要な要件になりつつある。これらの組織は、APM および可観測性市場でベンダーを活用しており、クラウドネイティブ監視における純粋なインフラストラクチャ監視ベンダーの重要性が低下している。
- ビジネスリーダーは、ツール調達の意思決定にますます影響力を及ぼしており、これまでボトムアップのアプローチを使用してきた意思決定にトップダウンの評価基準を持ち込んでいる。そのような組織では、技術的な深さよりも成果の質に焦点が置かれる傾向がある。
Gartner はネットワークインフラストラクチャを運用する部門への「推奨事項」として、次の4点を挙げています。現在および将来のネットワーク管理者のために有益なベストプラクティスとして参考になります。
- SRE、DevOps、ビジネスリーダーなどのチームは、それぞれ、機能強化、効率性、より良い意思決定に関心を持っているので、インフラストラクチャ監視ツールの主な焦点領域を異常検出とトラブルシューティングに限定せず、さらに視野を広げるべきである。
- コストが非常に高くなるベストオブブリードではなく、「十分に優れた」インフラストラクチャ監視ツールに投資する方が望ましい。レジリエントで耐障害性が高いアーキテクチャの場合は特に。ただし、より適切な根本原因解明のための分析には妥協すべきではない。
- 自動修復機能が組み込まれているハイブリッドおよびマルチクラウドの IT アーキテクチャをシームレスに監視できるインフラストラクチャ監視ツールを導入することで、トラブルシューティング機能を向上させるのが望ましい。
- 動的なサービス検出と関係マッピングを備えたインフラストラクチャ監視ツールを展開することで、状況に応じた詳細情報をビジネスリーダーに提供できる。
インフラストラクチャ監視ツールに関する Gartner のマーケットガイド
Gartner のインフラストラクチャ監視に関するマーケットガイドは、プログレスのサイトからアクセス可能です。英語のレポートですが、詳細をお読みになりたい場合は、以下のフォームを使ってダウンロードしてください。