ニーズに合った十分な帯域幅を確保
ネットワーク計画の主要ポイントは、ネットワークで実際に必要とする帯域幅の容量を決定することです。先を見越してネットワークが拡大してもある程度まで対応できるよう、適切な容量を決定する必要があります。
ビデオストリーミングを採用しているか、新しいアプリケーションを展開しようとしているか、合併や買収の準備をしているか、などによって必要な帯域幅の容量は大きく左右されますが、現在の帯域使用状況を詳細に把握し、容量の使用状況に関する履歴情報も組み合わせて、綿密に検討する必要があります。適正なネットワーク容量計画は、正確な予算作成とプロビジョニングのためにも必要です。
ネットワーク容量計画のためには、サービス品質 (Quality of Service、QoS) についてしっかり検討する必要があります。すべてのリンクには輻輳ポイントがあり、トラフィックが急増することもよくあります。トラフィックの急増や輻輳があっても重要業務に悪影響を及ぼさずにスムーズに対応できるよう、重要なネットワークトラフィックにより多くの帯域幅を割り当てる適切な QoS ポリシーを策定することが不可欠です。
例えば、ネットワークを通過するトラフィックのタイプに関する詳細なデータがなければ、VoIP などのサービスの QoS パラメータが目標レベルを満たしているかどうかを予測することはできません。ネットワークトラフィックを監視することで、ネットワーク容量を適切に計画し、QoS を確保するために必要な可視性が得られます。
ネットワークフローを分析し、監視することで得られる情報は、帯域使用ポリシーについて検討する際に非常に重要になります。ネットワークフロー監視は、トラフィックを監視し、トラフィックの傾向を特定し、トラフィックのパターン (山と谷) をチェックしてトラフィックの増加を分析し、帯域を大量に消費しているアプリケーションがあれば特定できます。この情報は、リアルタイムの使用状況と、時間の経過に伴う帯域使用量の履歴を追跡する包括的なレポートで表示されます。
帯域使用状況レポートは、指定された期間における、デバイス/インタフェースのグループの帯域幅使用率を表示します。インタフェース、ホスト、トラフィックの方向、データ範囲に基づいて情報をフィルタリングできます。また、帯域使用のトッププロトコルやトップアプリケーションなども、履歴データ/リアルタイムデータを表示できます。QoS ポリシーは、CBQoS(クラス・ベースのサービス品質)レポートを介して監視することもできます。ポリシー前とポリシー後のトラフィックを並べて表示できるので、QoS ターゲットを管理し、ルーターの飽和などの重大な問題を特定できます。