昨今、インターネットに接続されているものの数は驚異的です。接続されるデバイスの数は、2021年までに350億を超えると予測されています。 多くの勤務者がリモートで作業し、個人用デバイスも多用され(BYOD)、企業のネットワークに膨大な数のデバイスがアクセスするようになり、セキュリティリスクも高まります。ネットワークはどんどん拡張していき、複雑化しています。こういった状況にあって、ネットワーク監視の重要性について総合的に考察してみたいと思います。

すべてのIP資産を監視して、必要なパフォーマンスが得られていることを確認し、運用を最適化するには、堅牢で信頼性の高いツールが必要です。優れたネットワーク監視ツールを導入することで、多くの利点が得られます。

ネットワーク可視性

ネットワークには様々な側面がありますが、すべてが監視の対象になります。ネットワークに接続されているすべてのデバイス、ネットワークを通過するトラフィックを監視して、ネットワークの状態を常に把握し、パフォーマンスが悪化したら悪影響が出る前に検出して対処する必要があります。

ネットワーク上のすべてを追跡し続けるのは簡単なことではありませんが、優れたネットワーク監視ソリューションには自動ネットワークマッピングツールが含まれており、非常に複雑なエコシステムでも完全に可視化し、わかりやすく表示できます。

コンプライアンス遵守

規制コンプライアンスを満たす必要がある組織は、適切なネットワーク監視ツールを導入する必要があります。PCI DSS、HIPAA、FISMA、SOX などのコンプライアンスを満たすためには、外部セキュリティ管理が実施されているとしても、内部コントロールの一部としてネットワーク監視が必要です。

ネットワーク中断の防止

ネットワークが中断すれば、確実に生産性は低下し、中断しなかったら得られたはずの収益の損失が発生します。最近の調査によると、1時間のダウンタイムによる収益損失が100万ドルから500万ドルに及ぶと推定する企業が10社中4社ありました。

計画的中断以外のネットワーク中断を防止するには、ネットワークを常時監視する必要があります。高度なネットワーク監視ソリューションでは、デバイスの障害やネットワーク問題を示す可能性のある前兆を検出して警告通知を送信することができます。警告通知を受信したら、すぐに問題を解明してトラブルシューティングを行い、ダウンタイムの発生を防ぐことができます。

ネットワーク監視はネットワーク中断の防止だけでなく、高いパフォーマンスの維持にも役立ちます。パフォーマンス監視を活用してパフォーマンスを最適化し、より効率的な運用を実現できます。

迅速なトラブルシューティング

ネットワーク監視ツールは、何かネットワークの問題が起きた場合、迅速に問題を解明して解決するのに役立ちます。わかりやすく可視化されたネットワーク・マップからドリルダウンして、トラフィック問題、ネットワークデバイスの設定エラー、そのほかの様々な問題を検出し根本原因を見つけることができます。根本原因がわかればすぐに対処することができます。問題を自動的に修正するための自動修復アクションを指定することも可能です。

平均修復時間 (Mean Time To Repair、MTTR) が短縮されると、ダウンタイムやネットワークパフォーマンス低下による悪影響を軽減することができます。

セキュリティ脅威の検知

ネットワーク監視は、主に可用性やパフォーマンスを監視するために使用されますが、システム内のセキュリティ脅威を検知するのにも役立ちます。ネットワークのトラフィックを継続的に監視することで、異常なアクティビティや疑わしいアクティビティを検出して、小さな変化が大きな脅威に発展する前に対処できる場合があります。マルウェアやウイルスは一目ではなかなか検出できませんが、高度なネットワーク監視ソリューションは、疑わしいネットワークリソースの使用など、異常なアクティビティにフラグを立てることができます。

また、ダークウェブなどの不審なトラフィックを監視、警告し、DDoS 攻撃などのセキュリティ脅威を速やかに察知することもできます。

帯域幅使用率の監視

ネットワークのトラフィックが混雑し帯域幅が狭くなってくると、応答の速度が遅くなり、ユーザーはいらいらし始めます。帯域幅使用率を監視することで、応答速度が低下し始めたかどうかがわかります。帯域幅使用量がクリティカルレベルに近づくと、アラートが表示され、サービス品質 (Quality of Service、QoS) プロトコルを調整したり、パフォーマンスを向上させるための他のアクションを実行したりできます。

帯域容量のプランニング

ユーザーのニーズは常に進化しており、要求レベルは高くなっています。ユーザーが将来どの程度ネットワークリソースを消費するのかを予測することは困難ですが、帯域使用の需要を満たすために追加のインフラストラクチャと容量を計画することは不可欠です。

ネットワーク監視ソフトウェアを使用してパフォーマンスと帯域使用率を積極的に監視していれば、使用率の急上昇などがあればすぐに検出できます。パフォーマンスの履歴レポートを分析すると、将来必要になる容量をある程度予測することができ、ネットワークをアップグレードしてパフォーマンスの劣化を防ぐことが可能です。

履歴データは、予算策定の時期に支出増が必要なことを説明するためのデータとして役立ちます。使用率の増加でネットワークの速度が低下したり、パフォーマンスが低下したりすることを証明するエビデンスになり、システムをアップグレードする必要があることを経営幹部に納得させやすくなります。

新しいテクノロジー導入時のテスト

ネットワーク監視ツールは、新しいテクノロジーを導入するときにも重要な役割を果たします。新しいテクノロジーを導入したとき、ネットワークが追加のリソースを処理できるかどうかを判断し、潜在的なパフォーマンス問題がないか事前にチェックするのに役立ちます。導入後も、ネットワークを監視して、パフォーマンス低下がないかどうかなどをチェックし続ける必要があります。

IT 部門の負担軽減

ネットワーク監視ツールの、評価されにくい重要なメリットとして、IT 部門の負担軽減があります。最近の、拡張して複雑化したネットワークを、高い可用性とパフォーマンスで運用するすることを期待されている IT 部門には、するべきことがたくさんあるにも関わらず、管理要員は不足していることが多く、個々のメンバーには大きな負担がかかります。WhatsUp Gold などの適切なネットワーク監視ツールを使用すると、IT 部門の負担は大幅に軽減できます。

優れたネットワーク監視ツールを使えば、パフォーマンスが低下したときに、あれこれチェックし回って、やっとのことでどこで何が起こっているのかを理解するという手探りのプロセスに頼らなくても、簡単に根本原因を解明できます。また、適切に警告設定しておくことで、問題に発展しそうな兆候が見られた時点でアラートを受け取ることができ、迅速なトラブルシューティングが可能です。特定の問題に対して、自動修復アクションを設定しておくこともできます。

IT 部門の負担が軽減され、メンバーがネットワーク管理に費やす時間が短縮されれば、より創造的、刷新的なプロジェクトのために集中することが可能になります。この点は極めて重要なポイントです。

投資収益率の向上

ネットワーク監視は、投資収益率 (Return On Investment、ROI) にも貢献します。測定可能な ROI データも提供します。例えば、ネット監視ツールの導入によって、ネットワークの中断が年間で1時間削減できれば、十分な投資効果があったと言えるでしょう。さらに、サポート要請数の削減、問題解決にかかる時間の短縮、効率化のために必要なレベルのネットワークパフォーマンスの維持、などの形で ROI の向上に寄与します。

最後に – すべては適切なネットワーク監視ソリューションの選択から

これらのネットワーク監視の利点を最大限に生かすには、自社に最適なネットワーク監視ソリューションを選択することが大切です。それぞれの組織が独自の事情に応じて的確なIT監視ソフトウェアを選択するための指針になるよう構成されたホワイトペーパー、「IT 監視バイヤーズガイド」をご参照ください。

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